朝9時にルチア先生とアントニオが到着。なんだか沢山の道具を持っている。
今日は野外レッスンの日。野菜の角切り、なすの薄切り、ズッキーニはチーズ卸で薄くスライスect...
いろんな下準備の後トマトの瓶詰めへ。こんな大鍋が普通の家庭にあるなんて。これはサンマルツァーノ種といい、よく日本でもホールトマトとして缶詰めで売っているもの。もう一種類少し丸みを帯びたトマトがありそれはピューレ用。
これはホールトマト用 |
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トマトの湯剥き作業中 |
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下準備は同じだがピューレ用はその後この機械でピューレにする。
これも家庭用だって。
先生のお話によるとこの時期どこの家庭でも一年分のトマトの瓶詰めを作るそうで、家族総出で1週間近くかかる大仕事だとの事。
大鍋やピューレの機械もこの程度の大きさでも小さいくらいだとか。
おそれいりました。 |
ピューレの機械に挑戦する生徒 |
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瓶のフタは、ビール瓶のフタみたいな
もので市販されている。
それを専用の機械ではめるルチアさん。 |
野菜のピクルスやトマトの瓶詰めを煮沸している間に今日のお昼の準備に取り掛かる。この地域でチカテッリ(イタリア語ではカバテッリ)と呼ばれるパスタだ。
このパスタはトマトソースとルッコラ、ラパと呼ばれる菜花、カリフラワーと生のエキストラバージンオイルなどのソースで頂く。
今日は季節柄畑に自生しているルッコラとトマトソースで。
簡単そうに見えるが実はきちんと作るのは結構大変な作業。
ルチア先生の指導の下体験する生徒
みな一点を見つめて集中 |
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写真は左がオレッキエッティ、
右がチカテッリ |
昼食の後再び作業に取り掛かる。
午後4時過ぎ疲労もピークに達した頃、外がなんだか騒がしい。ルチア先生は「毎日来るお客さんよ、見ていらっしゃい」というけどお客さんを見る?と全員外へ。
見るとヤギと羊の群れがこちらへ向かってやってくる。昼間のあいだ放牧されていた彼らが家路に向かうところだった。草を食みながらのろのろ歩いてゆく彼らを見ながら私達もしばし休息。
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瓶詰め
・ホールトマト
・トマトピューレ
・ナスのオイル漬け
・マチェドニア ジャルディニエーリ
(7種の野菜の酢漬け)
・赤ピーマンの酢漬け
・ズッキーニのオイル漬け
・カルピオナーティ
(インゲンの酢+オイル漬け) |
《 今日のメニュー 》
チカテッリのトマトとルッコラソース
鶏肉とジャガイモの香草オーブン焼き
ミックスサラダ
ズッキーニの酢+オイル漬け
チーズ他
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授業が終わったところで先生と一緒に。
さすがに全員お疲れモード。 |
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8月16日といえば日本では夏真っ盛りで畑や田んぼもぎらつく太陽のせいで緑が目にまぶしいと思うのだけれど、今私の目の前に広がる景色は稲刈りのあとの秋を思わせる。
遠くでは焼畑をしているので目を閉じると懐かしい子供時代を思い出す。懐かしい秋のにおい。焚き火のにおい。
この辺りは一面麦畑で私が前回訪れた5月は緑がまぶしかった。私達が来る前の晩に村でいっせいに焼畑をしたそうでアントニオが夜中の真っ暗闇の中あちこちで小さな火が揺れ、それは幻想的だと話してくれた。一度見てみたい。
5月の風景、どこまでも続く麦畑 |
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焼畑の残り火 |
夜遅く車で隣の街Luceraへ繰り出す。今日はそこでお祭りがあり花火があがるのだ。花火は午前0時からなので少し街を散策する。皆レッスンの後少し休息を取ったので元気を取り戻していた。
各自午前をゆっくり過ごし、今晩のメニューを考える。当初最終日は和食を先生家族に召し上がっていただく予定だったが、リクエストしていたピッツァ釜を使っていないという事からピッツァフェスタをする事に。
ルチアさんの親族は数え切れないほどこのビッカリ村に住んでおり、それ以外にもアントニオの友達などにもパッサパローラ(伝言ゲーム)で噂が広がり「今日フェスタなんでしょ」と買い物する先々で言われた。
果たして一体何人来るのか?私達の心配をよそにアントニオを始めみな平然としている。こういうパーティーには慣れているらしい。
午後になると、アントニオのお姉さんのマリーナが来てピッツァ生地の仕込みを始めた。7キロの粉を用意したって一体何枚焼けるのか?
ピッツァの修行を9月から控えている生徒サルバトーレ(彼はもちろん日本人ですが名前が難しいということで命名される)は大喜び。
メモを取るのも真剣そのもの。
マリーナのご主人が釜に火を入れ、ルチアさんはピッツァの具を用意し始める。
休ませていた生地を1つづつ丸め休ませた後いよいよ生地をのばす。
厚みが均等じゃない!穴があいている!おっいいぞ!と叱咤激励が飛ぶ中で。
釜に入れる前、トッピングしたピッツァを手に師匠のジーノと |
一体何十枚のピッツァを1人でのばしたことでしょう。 親戚や友達からの注文が途絶え、やっと自分のピッツァが焼けたところでホッと一息。
黙々と仕事を続けるサルバトーレ君に来ていたイタリア人達はみなびっくり。師匠のジーノでさえ「少しは休めばいいのに」と言うくらい。
本当にお疲れ様でした。
先日オレッキエッティの講座をしてくれたエルビーラおばさんも夕食会に来てくれてみんなで一枚。
おばさんはサルバトーレ君がお気に入りの様子。
朝お世話になった田舎の家を掃除し荷造りを済ませビッカリ村へ。
プーリアパンのパン屋さんを見学させてもらった後ルチアさんの親戚の経営するオリーブオイルのフラントイオ(工場)を見学。
徹底的にこだわった作り方をするここのオリーブオイルはルチアさんのお料理にも欠かせないもの。
私も何年も前からここのオリーブオイルを使っているがとてもデリケートな味わいでおいしい。
12時過ぎにフォッジャ行きのバスが出る。野外レッスンの日に作った保存食やトマトソースの瓶の触れる音と重みが心地よい。思い出とビッカリの味をフィレンツェで楽しむ為バスに乗り込んだ。
ビッカリ村のかわいい家々 |
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高台から見たビッカリ村全貌 |
あとがきを読む⇒
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